令和の落ちアユは荘厳な儀式

投稿者: | 2020年11月5日

落ちアユとは、春に海から川に上った若アユが成長して、夏を迎え、そして秋に入ると産卵のため再び海へ下ってゆく晩年のアユのことで、アユは産卵をして一生を終えるのです。

 

落ちアユ釣りは、毛バリ釣りファンにとってはシーズンを締めくくる荘厳な儀式で、子孫を残すため旅立ちへ向かう落ちアユの姿は、なんとももの悲しい。

 

ふっくらとお腹が張った豊満な白い雌アユ。一方、黒く錆びた雄アユ。

対照的なカップルですが、その食欲は大変なもので、最後の晩餐会とばかりに果敢に毛バリに飛び付いてくるのです。

でも当りがあっても20%しかビクには入りません。80%はバレるのです。

私はこの現象を「アユが毛バリにじゃれる」とか、「アユと釣り人とのコミュニケーション」と勝手に解釈しております。

釣り言葉では「食いが浅い」ということなのですが。

さて、今年の落ちアユの儀式に参列すべく、10月23日東京を出発、富山の神通川へ。

当日は地元Nさんの案内で、有沢橋下や富山空港下などのポイントを見学。

魚がハネ(地元では飛ぶという)ているのをこの目で見ると、80歳を超えた者でも青年のようにトキメキ、胸が高鳴るのです。

 

翌24日は、相棒のナベさんと日の出前の5時半には竿を出しました。

仕掛けは思い切り派手に!

上バリには黒系の「黒髪」と赤系の「赤玉ポートワイン」。

一時はこの上バリに入れ食い。

25㎝級がヒットすると竿先が絞られ、魚とのやり取り夢中に。

これぞアユの毛バリ釣り!を満喫。

 

そして25日は昼で引き上げ、今年の落ちアユの儀式もとどこおりなく終わりました。

 

今回も地元毛バリファンの人達に大変お世話になりました。

毛バリケースを創ってくださったNさん。空港下の釣り場ポイントをご案内いただいたケーキ屋さんとMさん。輪島のMさんや地元のファンの方々から釣ったアユを進呈いただき、帰りはナベさんと私のクーラーは満杯。10年以上も続く地元皆さんとの交流は、私の大切な財産です。

これでサオを納めて、無事令和2年のアユ釣りも終末を迎えることできましたこと、皆様に心から感謝申し上げます。

 

追記:毎月末の異業種会社の勉強会に出席した15名の方に、落ちアユを食べていただきました。

初期のアユもよいがこの落ちアユの味は特別で、皆、初体験。

落ち鮎のもの悲しい、けれど最後まで果敢に飛びつくアユの話しをつまみに、日本酒 立山を飲みほしました。

ベテランのMさん・神通川にて

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